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「っ…!贵様――!」
新たにディルトの前へと现れた魔族は、最前の魔族とは打って変わって、横柄な态度と口调で鉄格子の前に阵取ると、その场所でまるで家畜でも眺めるかのような视线で眼下の肢体を眺め下す。
「はん、见るからに生意気そうなツラだ」
「なにッ!」
「魔王様に弓を引いたのが颔けるツラだって言ったんだ」
「贵様……!」
「まあいい。テメエがどんなツラをしてようと、俺には関系がねえからな。ああ、いや。でも」
言いかけて口をつぐんだ魔族の顔が、ゆっくりと、だが确実に卑劣な笑みをたたえだした事に気が付いて、ディルトが我知らず身の内をぞくりと震わせると、魔族の男は薄く微笑しながら嗫くように付け加えた。
「やっぱり『勇者』ってのは生意気な方が楽しめるかァ……」
「!」
「その方が……『観てる方』も喜ぶだろうしよォ……」
低く微笑んだ表情のままそう言う魔族に、ディルトはそれ以上『どういう事だ』と闻く気にはなれなかった。
闻かずとも、想像ができたのだ。
「…………」
この魔族たちの言う通り、自分はこの魔界の王である魔王に対し白刃を振りかざし、命を夺い、倒そうとした。
つまりは、この世界の顶点であり、世界そのものとも言える存在を、抹杀しようとしたのである。
目の前の魔族たち……いや、それどころか、この魔界に住まうあらゆる魔族たちから见れば、ディルトは他でもない、主君杀しの首谋者なのだ。
しかし、魔王讨伐は失败に终わり、『勇者』と讴われた自分は、この通り暗く狭い牢へと投狱された。
それが、一体何を意味するか。
谁に説明されずとも、ディルトには理解できていた。
杀される――。
目を覚まし、狼狈を振り払い冷静さを取り戻したディルトが、真っ先に考えたのはそれだった。
自分は、このままでは间违いなく……。
だからこそ、この牢の中から脱け出そうと必死になった。
恐怖や命惜しさからではない、纯粋な正义と、己の命をかけた使命の为に――。
「…………」
鉄格子の向こう侧で、変わらず微笑する二人の魔族を见つめながら、ディルトは煮え返りそうになる脳细胞を努めて冷やし、押しとどめた。
热くなってはいけない。
このまま激情に任せ、力ずくで牢を破っても、できる事は目の前の二人の魔族を打ち倒し、その後に集まってくる数人の守卫を屠る程度。
その後は、结局――。
本当なら、今この场で自分の腕を引きちぎり、鉄枷の拘束を打ち破ってでも、目の前の魔族たちに飞びかかり、その喉笛をかき切ってやりたかった。
だが、ダメだ。
それは、ただ単に、自分の怒りと憎悪を弾けさせるだけの事で、世界を、平和を守る事には繋がらない――!
「……っ…」
悬命に抑え杀した感情が、喉の奥でじんわりとした淀みに変わると、ディルトは努めて静かに息を吐き出し、身体の中から言叶にできぬ愤怒や热を舍て去った。
今は……今は……。
耐えるのだ……。
「…………」
目の前で自分を见下ろし、目を细める魔族と、それとは対照的に揶揄するような视线で牢の中を覗き込むもう一方の魔族を见据えて、ディルトは今一度决心した。
耐えるのだ――。
「…………」
怒りのせいか、それとも力任せに握り缔め続けたせいか、すっかり感覚の无くなった拳を再び握ると、手の中では血液の固まった嫌な感触が生まれていた。
05
「まあそんな事はどうでもいいか。ともかく、俺たちは仕事をしなきゃならねえからよ。テメエにももちろん协力してもらう事になるぜェ、勇者サマよ」
「……なん、だと?」
无言のままで睨みあってから、ものの数十秒した时だった。
ディルトの前へ後から姿を现した方の魔族が、短く鼻を鸣らしながら言い切ると、それを引き金にしたように、隣で身を屈めていた魔族もゆらりと身体を持ち上げ立ち上がったのだ。
「ああ、そうだったな。俺とした事が勇者サマがお目覚めのせいで肝心な仕事の事を忘れちまってた。それじゃあまあ、今はそっちを片づけっかなァ。その为には……まずはこの勇者サマにもっとちゃんとした拘束具を付けてやらなきゃならねえんだったなァ…!」
にやりと口角を上げる魔族を前に、ディルトの背中には冷たい汗が伝い落ちた。
仕事――。
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