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「おお、っと!さすがは勇者サマ、って所だなァ!あんだけの伤を受けてもここまで元気いっぱいで騒げるとはよォ!!」
反射的に跳ね上がったディルトの肢体が、重く顽丈な锁に引かれて激しい金属音と共に床面に冲突する姿を见下ろしながら、异形はせせら笑うように薄い口元をほころばせた。
「へへへ…!安心しろよ、勇者サマ。何も今すぐ取って食おうって话じゃあねェからよォ……!」
顔を见ずとも、下卑た笑みを浮かべているのがはっきりと分かる口调で异形が告げると、ディルトの手足に繋がれた锁がジャラリと鸣って、牢狱の狭い空间に反射する。
「き、さまァ……!」
赤い血液の渗んだ手首もそのままに、ディルトが奥歯を噛み缔めて念り上げると、そこでようやく、异形の男は身体を屈めて鉄格子の内侧で这いつくばる人间の姿を覗き込んだ。
「へッ…!『魔王様に刃を向けた勇者』だなんて言うから、一体どんな人间かと思えば……『勇者サマ』は名前负けじゃねェのかァ?それともテメエら人间の世界では、锁に繋がれた情けねェ男を『勇者サマ』って呼ぶのかねェ?!」
「っ!!」
わざとらしく蔑みながら、唇の端を吊り上げる声の主を睨みつけると、ディルトの视界には太い格子の向こうで嗤う男の顔が浮かび上がった。
「この……!」
口惜し気に奥歯を噛むと、睨み据えた视线の先では异形の顔がほくそ笑む。
异形、とは言っても、ディルトの视线の先にある男の姿はひどく人间に近しい容姿で、二本の腕もあれば足もある、人との违いと言えば、人间には决して存在せぬ色をした皮肤と、その头部から突き出した角、そして鋭い手足の爪――。
「魔族め……!」
目の前でせせら嗤う男からの视线をまじろぎもせずに射抜き返しながら、ディルトは忌々しげに呟いた。
魔族――。
そうこの悪しき化身の魔族たちが――。
自分の大切な国や富を……そして人や笑顔を……夺ったのだ――!
「く……っ!」
睑の里にまざまざと苏る、凄惨极まる略夺行为の场景に、ディルトは両手の拳を握りしめながら眉根を寄せた。
目の前に……!
目の前に敌がいる……!
だが、自らの手の中にあるのは、鋭く强い剣でも、大切な者を守る为の盾でもない。
狭く暗い牢狱の中で这いつくばるディルトの掌の中にあるものは、捕らわれた事で募る不甲斐なさと惨めさ、そして勇者としての责务を果たす事のできない、己に対する无力感だけなのだ。
「く……そ……!」
怒りと悔しさで煮え返りそうになる血液が身体中を巡り巡ると、ディルトの背中で开いた伤口が灼けるように热くなった。
「ハハッ!なんだァ?悔しそうなツラしちまって!そうかそうか!そんなに俺たち魔族が憎いか!」
「っ…!」
「そんなに憎けりゃ、さっさとその锁を引きちぎってそこから出てきてみちゃどうだァ?それで得意の剣技を使ってこの俺を真っ二つにしてみろよ!くくくくくッ!そうすりゃきっと……最高にスッキリすると思うぜえェ?」
「く…!」
见下すような軽侮の声に気高いプライドを殴打されると、ディルトの体内で言叶にできぬ何かが、油を注がれたように燃え上がった。
こんな……こんな低俗な生き物に……!
自分の国は、友は、幸せは……!!
「ッ……!!」
思った瞬间、力を込めた首筋には、青く太い血管が浮き立った。
ぶるぶると震える程に力を込めた拳の中では、手首から流れ落ちた血液が汗と混じって、ねっとりと薄い皮肤を染め上げていく。
魔族……どもめ――!!
愤怒に燃える胸中で、ディルトが怒号と共に低い雄叫びを张り上げた、直後だった。
「おう、なんだ。勇者の野郎、目を覚ましたのか」
「!!」
鉄格子の向こう侧で、今までとは违う声色が、低くゆっくりと持ちあがったのだ。
04
「!!」
闻こえた声に、ディルトは反射的に身构えた。
ディルトの咄嗟の动きと共に、牢狱内には、じゃらり、と低い金属音がこだまする。
「――谁だ!」
口をついて出た、勇ましく猛々しい声に応えたのは、先刻までの魔族の物とは别の声音だった。
「ふん、何が『谁だ』だ。负け犬のテメエになんかにいちいち名乗る名前はねェな」
「なにッ!?」
明らかに挑発するような返答にディルトが跳ね起きんばかりの势いで视线を上げると、そこには暗褐色の色をした体躯を持つ新たな魔族が、瞳を细めてディルトの姿を见下ろしていた。
「大体、テメエ何か勘违いしてねェか?ココはな、俺たち魔族の暮らす魔界、しかも罪人をブチこんでおく牢狱の中だ。そんな所に捕えられてる分际で、よくも伟そうに『谁だ』なんてぬかせるもんだな」
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