分卷阅读4(3/10)
「ッ……!な、に……!?」
「ふん、まったく、分からねえなら説明してやる。いいかァ?テメエら人间は俺ら魔族にとって、言うなれば格好のオモチャにすぎねェ。そもそも、人间をこうやって牢に捕らえるのだって、别に魔族の命を胁かす人间に粛清を、とか俺たちに剣を向けた人间を许せねえ!なんて感情からやってる事じゃねえんだよ。大体テメエら人间には、そこまでの価値もありゃしねェんだ。まあ分かりやすく言えば、俺たちがお前ら人间をとっ捕まえて牢の中でいたぶるのは、テメエら人间のガキが野っ原を飞んでる蝶を捕まえて、戯れに翅を毟るのと同じようなモンなんだよ」
「……な、に!!」
「くくッ、分かるだろォ?お前ェもガキの顷に一度くれェやった事があるんじゃねェかァ?ヒラヒラ所在无げに飞んでる蝶やら蜻蛉やらを捕まえて――身体中を色々いじくって游ぶんだよ。なるほどなァ、ここに足があって、こうやって翅が生えてて……ってよォ。别に、最初からこの蝶を杀してやろう、とか、こうして日顷の郁愤を晴らしてやろう、とか、そんな事は特段何も考えちゃいねェ。戯れに。ホント、ただ戯れに、だ。捕まえた蝶や蜻蛉の身体をいじって、游んでるうちに、兴味本位で翅を毟ったらどうなっちまうかな、って考えが头の隅を掠めてよォ。もちろん、そうなっちまえば、兴味津々で游ぶガキの所业を止める事なんてできねェだろ?ま、後はお察しの通りだ。一枚千切り、二枚千切り……最後にゃあ、蝶は翅を失くして无様な芋虫に成り下がる。くくく……!たまんねェよなァ…!!あの瞬间はよォ……!!さっきまで绮丽な翅で気持ちよさそうに飞んで、どこへでも行けた蝶が、一瞬後には地面の上でのたうつ事しかできねェ芋虫になっちまう!くくッ、まァ所诠そのくれえの事でしかねェんだよ。俺たちにとって、人间で『游ぶ』なんて事はなァ……!!それをやる事で、この蝶は死んじまう、とか、この蜻蛉は闷えて、苦しんで、やがて最後には地面の上でもがきながら他の昆虫に捕食されちまうんだ、とか、楽しく翅を毟ってる时にゃあそんな事は头をよぎりもしねえだろ?面白いからやる。兴味があるからやる。千切って毟る感触が好きだからやる。ただそれだけだ。未知への好奇心と、ほんのちょっとの嗜虐心、それに、自分が相手の生杀与夺を握ってる、っていう身震いする程の全能感を味わう为に――俺たちは翅をもぐんだよ……!テメエら、人间の高洁な翅を、よォ……!!」
言いながら、目の前で见る间に邪悪な微笑みを深くしていく魔族の男に、ディルトは息を饮み、次いで枯れた声に怒りを込めて吐き出した。
「き……さまァ……!!人间の命を夺う事が……蝶の翅を毟る事と同等だと……!!おのれ……!!おのれェッ!!」
魔族の言叶と细めた嗤いに、ディルトの脳里には死んでいった仲间や、友たちの顔が苏る。
この……この……魔族に……!
こんな、こんな低劣で、卑しさの极みとも言える生き物に……皆は――!
「き…さまァ!!许さん、ぞ……!!その言いぐさだけは……!!许さんぞォ……!!」
全身に涨る怒りを込めて言い切って、ディルトは眼前の鉄格子の向こうをねめ付ける。
ディルトの愤怒を抱いた牢内の热く热された空気の温度とは里腹に、激しい声を受けてもなお、魔族たちの视线は乾いた嗤いをたたえて冷ややかだった。
「くくく……!悔しいか?许せねェか?そうかそうか!でも悪りィなァ。俺たちにゃあそんな事は関系ねェし、そもそもテメエら人间のお涙ちょうだいなストーリーになんか兴味もねェ。どうでもイイんだよ。ンな事ァ。俺たちが楽しいから、やる。面白ェから、踏みにじる。それだけだ。テメエだって、捕まえた蝶が一枚翅毟られるたびに何を思ってるか、なんて……考えた事も……ねェだろォ?」
「ッ…!!」
狭い牢の岩肌に反射する魔族の声が鼓膜に届くと、その短くも嗤いを含んだ声がディルトの身体中を駆け巡る。
『俺たちが楽しいからやる』
『面白ェからやる』
それ……だけ……だと……!?
「くくく…!楽しみだぜェ……?今回捕まえた蝶は今までにねェ程大物で……おまけに蝶の世界の希望の星ときてやがる。こりゃあ一枚ずつ翅を毟って无様な芋虫に堕とすのは……さぞかし愉快で気持ちイイだろうなァ……!!」
「き、さま……!」
もはや怒りを通し越した灼热感をいなす方法も分からなくなりつつあるディルトが、震える声と共に眼前の暗がりの中に浮かぶシルエットを射抜くように睨みつけると、魔族の男は、そんなディルトの胸中を知った上で、挑発するように唇の端を吊り上げた。
「くくくく……だからよォ。今回は俺たちもしっかりじっくり考えたワケだ。せっかく捕まえた立派で代わりのいねェ蝶の王サマ。それの翅を毟るのに、突発的に、谁かが一人で、なんて、ズルいしなによりつまらねえ。だったら……」
「ッ……」
细めた声で魔族が嗤うと、ごくりと唾液を咽下するディルトの喉を、冷たい汗が伝い落ちていく。
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